「トーキョーエイリアンブラザーズ」1,2巻/真造圭伍
タイトルの通り、東京で暮らすエイリアン兄弟のお話。
生活感溢れる東京の風景描写、そして2人のエイリアンが垣間見せる異物感にぞっとしつつ、彼らを魅力的にも感じたりするのが楽しい。
- 作者: 真造圭伍
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/02/12
- メディア: コミック
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1巻は、先に地球で暮らしていた弟、冬ノ介のもとに、兄(夏太郎)がやってくるところから始まります。
リア充な大学生としてうまくやっている冬ノ介に対して、夏太郎は地球に慣れていないこともあり失敗を連発する。
2人(?)は「地球移住計画」を企てる宇宙人であり、東京で暮らしながら「人間」を学んでいくのですが、実は冬ノ介は「ダメな兄がこの星に順応できたら、その時が地球移住計画を発動する時」であるという指令を受けているのでした。
その順応の条件は、夏太郎が「仕事につき一人前になる」そして「人間の恋人をつくる」こと。
口下手で正直な夏太郎は取り繕うことが下手ゆえに、エイリアンであることがバレそうになったりもするのですが、2巻では徐々に夏太郎の正直さ、純粋さみたいなものに惹かれる人間たちが現れます。
そうやって夏太郎がポジティブな意味での「感情」を学習していくのに対して、ずっと人間に対して距離を保ち、兄を下に見ていたような冬ノ介は初めて自分の感情を持て余し、それが「嫉妬」であることを知るんですよね。
ここでようやく、正反対な兄弟が互いに唯一無二、地球で2人ぼっちなのだなということが立ち上がってきてぐっときます。
続きはどうなるんだろうな~。人として地球で暮らすことにしてしまう…とかそういう終わり方しか思いつかないけど、でも2人が人間とどう関わっていくのか、そしてどういう感情を知るのか、もう少し見ていたいです。
- 作者: 真造圭伍
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/07/07
- メディア: コミック
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私がこの作品を好きなのは、何よりも2人が暮らす部屋の描写にあります。細部まで細かく描かれていながら、時間の流れとともに様々なものの位置が変化していたりするのが最高に楽しい!
例えばこの2枚を見比べてみても、物干し竿の向こうに立てかけてあるものが変わっていたり、前景にある大根の頭栽培がなくなってたり、調味料っぽい瓶が置きっぱなしになってたりするんですよね。細かい…!
このままのセットで深夜ドラマとかになったらいいな~とか考えています。
なるとしたら冬ノ介が瑛太さんで夏太郎が柳楽さんかな~もうちょっと年下かもな~とか考えています。楽しい。
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